愚者のニュース

IT関連を中心にニュースの紹介をしつつ思ったことを気の向くままにつづっています。

ウェブ時代をどう生きるか?

私は,ちょっと前からウェブ上だけで生きていくにはどうしたらいいか?と言うことを割りと本気で考えている.「ウェブ時代をゆく」欲しい!の企画で,ウェブ時代をこう生きてみたいと言うテーマが応募方法の一つなので,まだまだ答えは見つけられそうにないが,今迄で考えたことについて書いてみる.

ちなみに,企画ページ.
「ウェブ時代をゆく」欲しい!とは - はてなダイアリー
商品の紹介も

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

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ウェブ上だけで生きる事への憧れ

ウェブ進化論から,その後に続く書の中で,必ず一回は表れていたと思ったのだが,梅田さんは出来るだけネットに触れ,それ以外の仕事を減らすみたいなことを書かれたいた.(この辺,多少ニュアンスの違いがあるかもしれないが,諸事情により手元に本がないので調べようがない.もう少し早く記事に手を着ければよかった….)
その事に関して,考えていた時,ふと思ったのである.ネット上だけで全ての仕事を完遂することは出来ないのだろうか?と.もちろん,そんなことが無理な仕事はいくらでもある.だが,今現在ほぼ0と言ってもいい,ネット上だけで完遂することが出来る仕事,と言うのも結構あるのではないだろうか?前例がないだけで,ネット上だけで仕事すると言うことが可能だと私は思っている.
ここで少し視点を変えて,ウェブ上だけで生きると言うことを考えた時に,思いついた稼ぎ方を挙げてみる.ネットで稼ぐと言えば,アフィリエイトドロップシッピング等である.しかし,これらを行っているうち,食べて生きていけるほどの人は,一握りであろう.お小遣い稼ぎ程度まで広げれば,人数はそこそこ居るかもしれない.それだけでも素晴らしい変化である.
しかし,この方法はどこか違う,と思ったのである.全ての人が,ネット上だけで,これをやっておけばとりあえず生活に不安はない,と言う職は私の知っている範囲では存在しない.企業で雇われているけど,わざわざ会社まで行かなくとも遂げられる仕事をネット上だけで完遂する仕事と言うのを私は考えている.
実際,IT系企業で週何回かは自宅勤務と言う話も聞いたことはある.それを更に進めて,完全な自宅勤務と言う物があってもいいのではないか.会議なんて,ネット上で行えば何の問題もない.既に,ネット上で会議する手段が整いつつあるのだから.
もちろん,実際に会う事によるコミュニケーションを完全否定しているわけではない.少なくとも現状では,実際に会って話すことと同程度の効率を持ったコミュニケーション方法と言うのは確立されていないのだから.


私はウェブ上だけで生きていく事を考え続け,見つけたらそれに飛び乗りたいし,自分で思いついたらやってみたい.いつか,ウェブ上だけで済ませる仕事が一般的になる時代が来ると信じている.

現実に即して考える

今まで述べたのは,私の夢であり,目標であり,こう生きたいということの結論である.しかし,私には今の所,実現する方法は思いつきも見つかりもしていないので,今目の前にあるネットをどのように扱い,どのように生きるかを考えてみる.

現実の自分,ネット世界の自分

現実の私は,ただの学生である.就職を目の前に控えた,一般的な学生である.先ほど述べたような夢はあるものの,一般的な企業に入り,普通に勤めるのであろう.
ネット世界の私は,ニュースサイターである.まだ,半年ちょっとぐらいしか続けていない,新米ニュースサイターだ.面白い記事を見つければ,紹介し,何か言いたいことがあれば言及する.そんな事を日々繰り返している.
私はこの二つの仮面を持っている.小さく分ければより多くの仮面を持っているが,今回は置いておこう.二つの仮面を持った私はそれを使い分けて,このウェブを生きているわけだが,ニュースサイトを始めてから色々と気づいた所がある.

バーチャル研究室

まずは,私がウェブ進化論を読んだ時に一番心に残った,バーチャル研究室と言う言葉である.研究室と言えるほど,学術的なものではないにしろ,他人のニュースサイトやブログ,そして,それを取り上げる自分のニュースサイトとの間で,情報のやり取りと言う物を強く感じるようになってきた.私自身が影響をどの程度与えているかと言えば,少し足りない所もあるが,確かに,そこに情報のやり取りがあり,思考の交わりを感じることが出来る.この思考の交わりと言うのは,研究室で先生と生徒がお互いの考えを述べて,お互いに知識を深め合うような場と同程度であると考える.
また,ちょっと前から流行っているTwitterでも似たような物を感じることがある.基本的には,使用者が日々のことを垂れ流すだけではあるのだが,時に,これは何でだろう?と言う疑問に誰かが反応し,そこでちょっとした議論が始まることがある.それに関して誰かがブログを書いて,議論の参加者のうちの何人かがそのブログに言及したりする.これは,とても興味深い.まるで,誰かが論文を書いて,そのダメだしや,発展形を書く事そのものではないか?Twitterは日々の何かを垂れ流す何でもない空間であり,また,その何でもないところから,何かを発見し,生み出す可能性のあるセレンディピティのような物だ.Twitterは様々な可能性を持っている.

情報の流通業

ニュースサイトとは,情報の流通を扱う事である.どこかのニュースサイトやブログから見つけてきた情報を自分の所に仕入れて,それをどこかへ発信する.これは,卸売業者から,小売店へ物が流れ,そして,消費者が物を買う構造と同一である.ニュースサイトは,様々な所から情報を入手して,まとめて,広めていく.小売業も,様々な所から商品を入手して,色んな商品を一箇所で買えるようにしている.この事より,ニュースサイトは情報の流通を扱う物だと言える.
情報の流通を扱うことができると言うことは,様々なことを主張していくこともできると言える.例えば,今の私が広めたいことの一つを例に挙げると,ダウンロード違法化に関するパブリックコメント募集の知らせがある.私自身が,ただの個人であっても,ここを見てくれる人が,少しでも送ってくれたらと思って紹介している.これも,情報の流通を扱っているからこそ,出来ることだと考えている.
MIAUのパブリックコメントに関する記事 - 愚者のニュース
ダウンロード違法化に関して,パブリックコメントを送りたい方はこちら.

学会誌

ところで,情報の流通を研究室の考えに当てはめると,学会のような役割を果たしているのではないだろうか?ブログで書かれた文章をフィルタし,いいと思ったものだけを自分のところで紹介する,学会誌的な役割だ.投稿された論文は,全てが掲載されるわけではなく,吟味された上で載せられる.ニュースサイトはウェブ上における学会誌なのだ.

ニュースサイターにとってのニュースサイト

ニュースサイトは,今まで述べたような役割を持っていると考えることが出来る.そして,その役割の一端を担っているニュースサイター自身はどうなっていくのか?扱う内容にもよるが,流していく情報は自分の所にも蓄えられていくので,自分を発展させることにもつながる.そして,その中で見つけた情報を自分も言及し,その研究室に自分自身が入っていくことも出来る.時間はとてもかかるが,ネットで色んな情報を得たいと思うのならば,有能なニュースサイターを見つけるか,自分自身が自分にとっての最高のニュースサイターになるかのどちらかであろう.ネット上における情報が膨大に増えた今,ニュースサイトは必須の物とも言えるだろう.

現実の私がネットの私から得た物

長くなったが,私はネットで上のような活動をしている.そして,そこで得た情報と言うのは,少しづつではあるが,自分の中に蓄えられつつある.自分が言及し考えたことと言うのは,日常の会話の中で出てきたとしたら,十分に語れるほど,脳内で熟成されている.私のネット上での活動は,現実の私を人間として成長させている,と実感している.そしてそれは,ただ見るだけの消費者には決して得られない物だと信じている.現にここ半年で,それ以前とは大分自分と言う物が変わったのではないかと思っている.
たしか,羽生さんが言っていた言葉だと見た覚えがあり,ウェブ時代を行くの見出しにも使われているが,ネットは高速道路のようなものである,と言うことを実感した半年でもある.この半年で,今まで持っていなかった部分をかなり学んだな,と.
ここで,話はウェブ時代をどう生きるかと言う本題に戻るのだが,今まで述べたような活動をこれからも続け,そして,現実の自分をさらに発展させていきたい,と言うのが私の答えである.

追記
書き忘れたことがある.
私は,ITの世界において,新しい世代・パラダイムが生まれるとするならば,出来る限りその近くに居たいと思う.その一つの方向性として,ウェブ上で生きると言うことへの憧れがある.どんな形になるかはわからないし,夢物語かもしれないけれど,この夢は常に持っていたい.

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